【與那覇 潤】 「中国化する日本」

中国化する日本 日中「文明の衝突」一千年史 を読了。

先日、このブログでも紹介した「ニッポンのジレンマ」に出演していた、與那覇 潤先生の著書です。

検索してみると著者インタビューがあったので、深夜2時過ぎでしたが、読んでみました。

すると、とても面白い!

で、早速購入し、毎日少しずつ読み進めていました。

私は、大学で西洋史を専攻しておりましたが、日本史・東洋史についてもそれなりに勉強してきたと思います。

が、実は、平安時代後期くらいから応仁の乱ぐらいまでは、最も苦手なのです。

なぜかというと、教科書の記述が曖昧であることはもちろんなのですが、この時代をおもしろく読める小説ひとつ見つけられずに今まで来たからなのです。

そして、ハイティーンの私には、天皇と上皇と法王との区別はついても、なぜそれらが連立しているのかが謎である上に、保元の乱とか平治の乱とか、天皇家、貴族、源平が入り乱れての合戦模様は理解に遠く、「あ~、もうやめちゃおう、日本史」と考えたきっかけでもありました。

そして、このころから日本史のなかから中国に関連する記述が少なくなり、元寇まですっかり遠のくのです。


今年のNHK大河で「平清盛」を放映中ということもあり、この時代について興味が湧いていた矢先に、「中国化する日本 日中「文明の衝突」一千年史では、中国では宋の時代に近世を迎えていて、現在の国際社会に似ている状況であった、という衝撃的な記述から始まるのです。

日宋貿易=平清盛、くらいの知識でしかない私にとって、かなり衝撃的。

そして宋朝は、中国では印象に残らない時代でしかないのに、実は、その後の王朝は宋時代に確立したシステムを踏襲し、現在まで続いている、というのです。

眼からウロコ、の話が山盛りで、ともて面白い内容です。

ただし、基礎的な歴史知識をお持ちの方や、経済に関する知識などがあったほうが、一層楽しく読めると思います。

日頃、中国人と付き合いのある私にとって、どんだけ日本人がダメダメか、はわかっていたつもりでしたが、歴史的側面とその影響がかなりあることを再認識しました。

「グローバル化」が苦手な日本人の根幹を読み解く、参考書的著作です。

一読をオススメします。


中国化する日本 増補版 日中「文明の衝突」一千年史 (文春文庫)

與那覇 潤 文藝春秋 2014-04-10
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